ポリエステルパジャマで睡眠の質がガタ落ち?クリーニング師が教える「蒸れと静電気」を解消して熟睡する方法

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「冬のモコモコパジャマは可愛いけれど ぐっすり眠れた気がしない」「夜中に暑くて目が覚めてしまう」そんな悩みはありませんか。実はそれ パジャマの素材であるポリエステルの特性が 睡眠の質を邪魔しているからかもしれません。

ポリエステルは軽くて暖かい便利な素材ですが 睡眠中の「体温調節」や「湿度コントロール」という点では 非常に扱いにくい面があります。毎日多くのお客さんのパジャマを洗い 睡眠と衣類の関係を考え続けてきたクリーニング店主の私が 科学的な理由と家庭でできる解決策を分かりやすくお伝えしますね。

ポリエステルが「深部体温」の低下を邪魔するメカニズム

私たちが深く眠りにつくためには 体の内側の温度(深部体温)がスムーズに下がることが不可欠です。しかし ポリエステル100パーセントのパジャマは 通気性が悪く 熱を外に逃がしてくれません。

布団の中で体温が上がりすぎると 脳や体は「まだ起きて活動する時間だ」と勘違いしてしまい 深い眠り(ノンレム睡眠)に入りにくくなります。朝起きたときに 疲れが取れていないと感じるのは パジャマの中に熱がこもりすぎて 体がリラックスできていないサインかもしれません。

自律神経を刺激する「見えない電気」の恐怖

冬の乾燥した夜 寝返りを打つたびにパチパチと音がするのは要注意です。ポリエステルは摩擦によって非常に強い静電気を発生させます。この静電気は 単に痛いだけでなく 私たちの自律神経を刺激して 交感神経を優位にさせてしまうのです。

睡眠時は 本来ならリラックスモードの副交感神経が優位になるべき時間。それなのに 静電気の刺激で体が緊張状態になれば 眠りは当然浅くなります。さらに 静電気は空気中のホコリやダニの死骸を引き寄せる性質があるため 鼻詰まりや咳を引き起こし 睡眠を妨げる原因にもなります。

吸い取った汗が肌に戻る「ベタつき」が中途覚醒を招く

「スポーツウェアにも使われる速乾素材なら 快適に眠れるはず」と思われがちですが 睡眠時は事情が異なります。ポリエステルの速乾性は 繊維の隙間に水分を通すだけで 繊維そのものが水分を吸収するわけではありません。

大量の寝汗をかいたとき ポリエステルは処理しきれなかった水分を肌の表面に留めてしまいます。これが「ベタつき」となり 脳に不快感を与えて 夜中にふと目が覚めてしまう「中途覚醒」を招きます。以下の表で 素材ごとの「眠りの快適さ」を比較してみたので 参考にしてくださいね。

評価項目 ポリエステル 綿(コットン) シルク(絹)
吸湿性(汗を吸う力) ×(ほぼ吸わない) ◎(非常に高い) ◎(理想的)
放湿性(湿気を逃がす) △(通気性による) 〇(標準的) ◎(非常に高い)
静電気の起きにくさ ×(起きやすい) 〇(起きにくい) ◎(ほぼ起きない)
洗濯のしやすさ ◎(すぐ乾く) 〇(乾きにくい) △(手洗い推奨)

化学繊維による「乾燥肌の悪化」と睡眠の質

冬になると肌がカサカサして 痒くて眠れないことはありませんか。ポリエステル素材は 繊維が非常に細くて硬いため 乾燥した肌には強い刺激となります。

また 静電気が起きると肌のバリア機能が低下し さらに乾燥が進むという悪循環に陥ります。睡眠中に無意識に体を掻いてしまうのは 脳が覚醒している証拠。これでは どれだけ長く寝ても 睡眠の質は上がりません。肌が敏感な時期は 直接ポリエステルが肌に触れない工夫が必要です。

ポリエステルに染み付いた「皮脂汚れ」をリセットする40度洗浄

ポリエステルは油汚れを吸着しやすい「親油性」を持っています。睡眠中に出た皮脂が繊維の奥に溜まると 酸化して嫌な臭いを発するだけでなく 繊維が固くなって肌触りも悪くなります。

ゴワゴワになったパジャマでは 快適に眠れるはずがありません。臭いや汚れが気になるなら 水ではなく「40度のお湯」を使って洗ってください。油分を溶かし出すことで 繊維が本来の柔らかさを取り戻し 清潔な香りが安眠をサポートしてくれます。柔軟剤で静電気を抑えるのも 睡眠の質を守るための賢い選択ですよ。

ポリエステルを脱がずに「快眠」を手に入れるための最強インナー活用術

「お気に入りのポリエステルのパジャマを どうしても着て寝たい」というときは ぜひ「インナー」にこだわってください。肌に直接触れる部分に 綿100パーセントの薄いTシャツやタンクトップを一枚着るだけで 状況は劇的に変わります。

インナーが汗を吸い取り 静電気の発生を抑える緩衝材になってくれるため ポリエステルの「軽くて暖かい」というメリットだけを活かすことができます。素材の特性を理解して 上手に組み合わせることで 寒い冬の夜も ぐっすり深い眠りを手に入れてくださいね

クリーニングママ

国家資格を持つクリーニングママ店主。プロの技×主婦の目線で、洗濯を「ラクで綺麗」にするコツを発信しています

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