ダウンとフェザー割合ってどれがベスト?

冬に手放せないダウンジャケット。でも、「ダウン」と「フェザー」って、一体何が違うの?と疑問に思ったことはありませんか?

ダウンジャケットの品質表示タグを見ると、「ダウン○○%、フェザー○○%」と書いてあるのをよく見かけます。

この「ダウン」と「フェザー」は、どちらも水鳥の羽根から採取される羽毛ですが、それぞれ特徴が異なります。

この記事では、ダウンジャケットを選ぶ際に知っておきたい、ダウンとフェザーの違いや、暖かいダウンジャケットの見分け方などを分かりやすく解説していきます。

ダウンってなに?

ダウンとは、水鳥の胸の部分に生えている、とてもふわふわした毛のことです。カモやガチョウなどの水鳥が、寒い冬でも体温を保つために体につけている天然の防寒着のようなものなんです。

ダウンは、まるでタンポポの綿毛のようにフワフワしていて、とても軽いです。そして、その中に空気をたくさん含むことができるので、抜群の保温性を誇ります。

ダウンは、自然が作り出した天然の素材です。化学繊維とは違い、肌触りが柔らかく、自然な温もりを感じさせてくれます。

ダウンは、圧縮しても元の状態に戻ろうとする復元力が高いのが特徴です。そのため、長く使ってもへたりにくく、保温性を維持できるのです。

フェザーってなに?

一方、フェザーは、羽軸のある羽根を言います。鳥の羽根というと、フェザーを思い浮かべる人が多いでしょう。フェザーは、ダウンに比べて弾力性があり、布団の形を保つ役割を果たします。フェザーには、サイズによってスモールフェザー(6.5cm以下)とラージフェザーに分けられます。

ダウンとフェザー、どちらがいいの?

わかりやすく羽毛布団の話でいうと、一般的にダウンの割合が多いほど軽くて暖かく、ふっくらとした寝心地が楽しめます。高級羽毛布団は、ダウンの割合が高いものが多く、保温性も抜群です。

フェザーの割合が多いほどダウンに比べて保温性は劣りますが、弾力性があり、布団の形を保ちやすいです。また、価格も比較的安価です。

一般的に、ダウン70%以上のものが羽毛布団と呼ばれ、高品質とされています。しかし、ダウン100%の羽毛布団は、柔らかすぎて形が崩れやすいというデメリットもあります。そこで、ダウンとフェザーを組み合わせて、それぞれの良いところを活かした羽毛布団が作られています。

ダウンジャケットを選ぶ際のダウンとフェザーの割合は?

「ダウンとフェザーの割合」ですよね。この割合によって、ダウンジャケットの暖かさや軽さが大きく変わってきます。

一般的に、ダウンジャケットの黄金比は「ダウン90%、フェザー10%」と言われています。この割合が、最も軽く暖かいとされているのです。

なぜこの割合が理想的なのかというと、

ダウン90%が高い保温性を確保し、暖かさを最大限に引き出し、フェザー10%がダウンのボリュームを出し、型崩れを防ぎ、ふっくらとしたシルエットを保つ役目をします。

このバランスこそが、ダウンジャケットの暖かさと軽さを両立させる上で理想的なのです。

一般的なダウンジャケットの割合

一般的なダウンジャケットの割合は、

  • ダウン70%~90%
  • フェザー30%~10%

この範囲内が一般的です。

もちろん、ダウン90%、フェザー10%以外の割合のダウンジャケットでも、十分に暖かいものはたくさんあります。しかし、より暖かく、軽いダウンジャケットを求めるのであれば、この割合を参考に選ぶのがおすすめです。

ダウンジャケットの暖かさを決める3つの要素とは

冬に欠かせないダウンジャケット。でも、同じダウンジャケットでも、なぜこんなに暖かいのと感じたことはありませんか?実は、ダウンの暖かさは、ダウンとフェザーの割合だけでなく、いくつかの要素が複雑に絡み合っているんです。ここでは、ダウンの暖かさを決める3つの要素について、詳しく解説していきます。

グース(ガチョウ)とダック(アヒル)

ダウンは、水鳥の羽毛を細かくしたものですが、どの水鳥の羽毛を使うかによって、ダウンの品質が大きく変わってきます。一般的に、グース(ガチョウ)のダウンの方が、ダック(アヒル)のダウンよりも高品質と言われています。

なぜグースのダウンの方が暖かいのか?それは、ダウンボールと呼ばれる、羽毛の1本1本の丸い部分の大きさと質の違いにあります。グースはダックよりも体が大きいため、ダウンボールも大きく、より多くの空気を含むことができるのです。空気をたくさん含むことができるということは、それだけ保温性が高いということになります。

さらに、マザーグースと呼ばれる、1年以上飼育されたメスガチョウのダウンは、保温性と耐久性に優れ、ダウンの中でも最高品質とされています。

2. 産地

ダウンの産地も、品質に影響を与える要素の一つです。寒冷地で育った水鳥のダウンは、厳しい環境に適応するために、より発達したダウンを持っていて保温性が高いと言われています

3. フィルパワー

フィルパワーとは、ダウンのふくらみ具合を表す数値です。

ダウン1オンス(約28.4g)をシリンダーに入れて、一定の圧力をかけたときにどれくらい膨らむか、その膨らみの度合いを数値化したものです。

例えば、フィルパワーが500と表示されているダウンは、1オンスのダウンが500立方インチに膨らむことを意味します。この数値が大きいほど、ダウンはよりふっくらと膨らみ、空気を多く含むことができるため、保温性が高くなります。

一般的に、フィルパワーは以下のように分類されます。

ダウンのフィルパワーと品質の目安

フィルパワー 品質 特徴
500以下 低品質 保温性が低め
600~700 良質 一般的なダウンジャケットに使用される
700以上 高品質 高い保温性と軽量性

ダウンの色は品質に関係ない?

ダウンの色は、品質に直接的な影響はありません。一般的に、白いダウンが人気が高いため、少し値段が高くなる傾向がありますが、保温性や耐久性にはほとんど差はありません。

ダウンジャケットの品質表示に「ホワイトグース」や「グレーダック」と記載されていることがありますが、これらの表記は、ダウンの色ではなく、鳥の種類を表しているのです。

ダウンジャケットを買う前に考えておくこと

日常使いとアウトドア、どちらで使う?

ダウンジャケットは、大きく分けると、普段使いとアウトドアの2つの用途に分けられます。

日常生活で着用するダウンジャケットとはデザイン性が高く、ファッションアイテムとしても楽しめるもので、アウトドア用は登山やキャンプなど、アウトドアアクティビティで着用するダウンジャケットで、保温性や耐久性、防水性など、機能性を重視したものが多く、デザインは比較的シンプルです。

タウンユースとアウトドアで選ぶべきポイントの違い

タウンユース アウトドア
デザイン ファッション性が高い 機能性を重視したシンプルなデザイン
素材 光沢のある素材や、撥水加工された素材など 耐久性のある素材、防水・透湿素材など
機能性 暖かさ、軽さ、コンパクト性 暖かさ、耐久性、防水性、透湿性など

ダウンジャケットを選ぶ際は、ダウンの種類やフィルパワーだけでなく、用途に合わせた選び方も重要です。ご自身のライフスタイルや、どのような場面で着用したいかを考えて、最適なダウンジャケットを選びましょう。

自分の「着心地」を優先しよう

これまで、高品質なダウンジャケットの見分け方について、様々な角度からお話してきました。しかし、最も大切なのは、実際に羽織ってみてどう感じるか、という「着心地」なのです。

私が実際に様々なダウンジャケットを試着して感じたのは、ダウンの質や暖かさは、ブランドや値段だけでは測れないということ。同じブランドのダウンジャケットでも、年や品番によって、暖かさが全く違うことがあります。

例えば、私が持っているダウンジャケットの中には、少し安価でダウンの量も少ないブランドのものがあるのですが、これが驚くほど暖かいのです。一方、高価でダウンがたっぷり詰まっているはずの別のブランドのジャケットは、思ったほど暖かくないという経験もしました。

これは、ダウンの質の違いが大きく影響していると考えられます。特に、水鳥の胸毛と呼ばれる部分のダウンは、保温性が高く、身体をじんわりと温めてくれるのが特徴です。

ダウンジャケットを選ぶ際は、お店の試着室は暖房が効いていることが多いので、少し暑く感じても我慢して、実際に羽織ってみてください。着た時の暖かさや、体のあちこちに当たる風の感じ方などをじっくりと確かめてみましょう。

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