「最近は洗濯機でコートも洗えるって聞くけど、本当かな?」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。確かに、最近の洗濯機は性能が向上し、家庭用洗剤も多種多様になりました。CMでも「コートも自宅で簡単に洗える!」と宣伝されていますよね。
でも、ちょっと待ってください。コートを自宅で洗濯するのは、実はかなり難しいことなんです。
この記事では、なぜコートを自宅で洗うのはおすすめできないのか、その理由をご紹介します。
コートを自宅で洗うのはなぜダメ?
理由1:コートはデリケートな衣類
コートは、ウールやカシミヤなど、デリケートな素材で作られているものが多くあります。これらの素材は、家庭用洗濯機で洗うと縮んでしまったり、型崩れを起こしたりする可能性が高いです。特に、ウールは水に濡れると縮みやすい性質があるため、家庭用洗濯機で洗うのは非常に危険です。
理由2:コートの洗濯は、思っている以上に大変
「コートはクリーニングに出すもの」ってよく聞きますよね。でも、自分で洗えばお金も時間も節約できるし、もしかしたら自分で洗った方が綺麗になるかも?なんて考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、実際に自分でコートを洗ってみた人の話を聞くと、その考えは大きく変わります
例えば、ダウンジャケットのように家庭で洗えるものもありますが、ウールやカシミヤなど、多くのコート素材は家庭での洗濯には向きません。
僕の友人は、ネット情報を見て、意を決してコートを自宅で洗ってみたそうです。準備に1時間、洗濯に30分、乾燥に1日、アイロンに1時間と、思っていた以上の時間がかかりました。
しかも、いざ着てみると、襟や袖の部分が縮んでしまい、風合いがすっかり変わってしまったそうです。せっかくのお気に入りのコートが台無しになってしまい、とても後悔したと言っていました。
なぜ、こんなにも苦労して失敗してしまうのか?それは、コートの素材や構造が複雑で、家庭用の洗濯機では十分なケアができないからです。例えば、ウールはデリケートな素材で、家庭用の洗剤では傷ついてしまうことがあります。また、コートは立体的な形状をしているため、洗濯機の中で絡まったり、型崩れしたりするリスクも高くなります。
プロのクリーニング業者であれば、素材に合った洗剤や方法で丁寧にクリーニングしてくれるので、安心して任せられます。もちろん、クリーニングに出すには費用がかかりますが、大切なコートを長くきれいに着たいと思うのであれば、プロの手を借りる方が賢明と言えるでしょう。
「ネクシー」という宅配クリーニングサービスの代表者は、洗濯のプロとして「ウール・カシミアのセーター(ニット)は家で洗える?簡単に洗えるは嘘!?」という記事を書いています。この記事の中では、家庭での洗濯がいかに難しいか、そしてプロのクリーニングの重要性が詳しく解説されています。
この方の意見に、私は強く共感します。自分で洗おうとして失敗し、後悔するくらいなら、最初からプロに頼んだ方が良いです。
理由3:コートクリーニングはそこまで高くない
一見、クリーニングに出すのは高くつくように思えますが、実はそうとも限りません。
昔に比べて、宅配クリーニングが普及し、手軽に利用できるようになりました。宅配クリーニングなら、自宅にいながらクリーニングに出せるので、とても便利です。
コートは、素材やデザインによって、追加料金がかかることがよくあります。しかし、ほとんどの宅配クリーニング業者では、追加料金なしでコート全体をクリーニングしてくれるサービスがあります。
例えば、「リナビス」という宅配クリーニング業者では、マッキントッシュやモンクレールなどの高級ブランドのコートも、追加料金なしでクリーニングできますよ。
コートの種類別お手入れ方法
ダウンジャケット
冬に欠かせないダウンジャケットやコート。暖かく、軽い着心地が魅力ですが、お手入れが少し面倒ですよね。特に乾燥が大変で、クリーニングに出すのが一般的です。
でも、実はダウンジャケットは、種類によってお手入れの方法が大きく異なるんです。
ダウンジャケットには大きく分けて、クリーニング推奨タイプと家庭洗濯OKタイプの2種類があります。
クリーニング推奨タイプは高品質なダウンを使用していたり、表面に特殊なコーティングが施されているものが多く、家庭での洗濯は避けてください。
高価なブランドのダウンジャケットは、ほとんどがこのタイプに該当します。
クリーニングに出す際は、ダウン専用の洗剤を使用してくれるクリーニング店を選ぶと、より安心です。
家庭洗濯OKタイプはユニクロのウルトラライトダウンのように、ポリエステル製のダウンや、撥水加工がされていないものが多く、家庭での洗濯が可能です。
洗濯表示をよく確認し、洗濯機の取扱説明書に従って洗濯しましょう。
ダウンが偏ってしまわないように、洗濯ネットに入れて洗うのがおすすめです
ダッフルコートの素材は、ウールが一般的です。特にメルトンと呼ばれる厚手のウール生地で作られたものが多く、保温性が高く、丈夫なのが特徴です。また、特徴的なトグルボタンは、木や水牛の角で作られているものが一般的です。
ダッフルコートのお手入れ方法
ダッフルコートのお手入れは、素材や汚れの種類によって異なります。
ウール素材のダッフルコート、特に高級な素材で作られたものは、家庭での洗濯は避け、クリーニングに出すことをおすすめします。特に、トグルボタンが水牛の角で作られている場合は、水に弱いため、クリーニング店で丁寧に扱ってもらう必要があります。
Pコートやハーフコート
Pコートやハーフコートのお手入れ方法は、素材やデザインによって異なります。
最近のPコートやハーフコートは、ポリエステル素材のものも多く、家庭で洗濯できるものが増えてきました。洗濯表示をよく確認し、洗濯機で洗えるようであれば、自宅で洗濯することも可能です。ただし、デリケートな素材の場合は、手洗いやドライクリーニングがおすすめです。
ウール素材や、裏地にシルクが使われているなど、高級な素材で作られたPコートやハーフコートは、家庭での洗濯は避け、クリーニングに出す方が良いでしょう。特に、Pコートは、メルトンという厚手のウール生地で作られていることが多く、家庭での洗濯では縮んでしまう可能性があります。
カシミヤコート
カシミヤコートは、その柔らかく上質な風合いが魅力の高級素材で作られたコートです。しかし、その繊細さゆえに、お手入れには細心の注意が必要です。
カシミヤは、動物の毛を紡いで作られた天然繊維で、非常にデリケートな素材です。家庭用の洗濯機で洗ってしまうと、縮んでしまったり、毛羽立ったりする可能性が高く、せっかくの高級コートが台無しになってしまう確率が高いです
プロのクリーニング業者でも、カシミヤコートのクリーニングには特に注意を払っています。カシミヤに適した洗剤を使用し、丁寧に手作業でクリーニングすることで、素材の風合いを損なうことなく、長く愛用できるよう仕上げてくれます。
もし、自分でカシミヤコートを洗うことを検討されている場合は、必ず洗濯表示をよく確認し、自己責任で行うようにしてください。しかし、高価なカシミヤコートを安心して長く着たいのであれば、やはりプロのクリーニングに出すことをおすすめします。
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