パンプスは、おしゃれの要です。服やメイクが完璧でも、足元が汚れていると全体の印象が台無しになります。特にビジネスシーンでは、足元まで見られていることを意識しましょう。
せっかく選んだパンプスも、久しぶりに出したら汚れていると、出かける気分が下がりますよね。「今日はあの服にこのパンプス!」と思っていても、汚れが目立つとがっかりしてしまいます。綺麗な状態なら、いつでも気持ちよく履けて、お出かけがもっと楽しくなります。
パンプスの綺麗を保つには、日頃のメンテナンスが大切です。素材によってお手入れ方法が違うので、適切な方法を知っておきましょう。
素材別に汚れや臭いを落とす方法を簡単にまとめました。大切なパンプスを綺麗に保つために、参考にしてください。
パンプスのお手入れ方法を素材別に解説
パンプスは様々な素材で作られており、素材に合ったお手入れをすることで、長く綺麗に履き続けることができます。革だけでも本革、スエード、ヌメ革などがあり、その他にも合皮、布、エナメルなど種類豊富です。
さらに、リボンやレース、ビーズなどの装飾が付いたものもありますね。汚れや臭いが気になってきたら、素材に合わせたお手入れをすることが大切です。ここでは、代表的な素材別にパンプスの洗い方・お手入れ方法を詳しく解説します。
合皮パンプスのお手入れ
合皮は比較的手入れがしやすい素材です。普段のお手入れは、ブラシでほこりを払う程度で十分ですが、汚れが目立ってきたら水洗いをしましょう。
準備するもの
- バケツ(パンプスが平らに入るサイズ)
- スポンジ
- 洗濯用洗剤と重曹(1:1の割合でペースト状にする)
- 歯ブラシ(使い古しでOK)
- ぬるま湯(40度程度)
- 厚手のタオルまたは新聞紙
洗い方
- バケツにぬるま湯を用意し、パンプス全体を濡らします。
- 洗剤と重曹のペーストを靴全体に薄く塗り、歯ブラシで優しく汚れを落とします。強くこすると傷になるので注意が必要です。内側も同様に洗います。
- ぬるま湯で溜めすすぎをします。ぬめりがなくなるまで、お湯を取り替えながら丁寧にすすぎましょう。すすぎ残しがあると、シミや臭いの原因になります。
乾かし方
- タオルで水気を拭き取った後、内側に新聞紙を詰めます。これは型崩れを防ぎ、内側をしっかり乾かす効果があります。
- 新聞紙を詰めたパンプスを、風通しの良い直射日光の当たらない場所に干します。1〜2日程度で乾きますが、途中で何度か新聞紙を交換すると、より早く乾きます。
布製パンプスのお手入れ
布製のパンプスは汚れが付きやすく、落ちにくいのが難点です。こまめなお手入れを心がけましょう。軽い汚れなら、靴用消しゴムクリーナーを使うのもおすすめです。
準備するもの
- バケツ
- スポンジ
- 洗濯用洗剤と重曹(1:1の割合)
- 歯ブラシ
- ぬるま湯(40度程度)
- 新聞紙
- 厚手のタオル
洗い方
- バケツにぬるま湯を用意します。
- 洗濯用洗剤と重曹を合わせておきます。
- スポンジを濡らして軽く絞り、パンプス全体を濡らします。
- 洗剤と重曹の混合液を歯ブラシにつけ、パンプスの表面に優しく塗っていきます。強く擦らず、円を描くように優しく当てて汚れを落とします。
- ぬるま湯で丁寧にすすぎます。洗剤が残っているとシミや臭いの原因になるため、しっかりすすぎましょう。
乾かし方
- タオルで水気を拭き取ったら、新聞紙かキッチンペーパーをパンプスの内側にしっかり詰め込みます。
- 新聞紙かキッチンペーパーを詰めたまま、風通しが良い日陰で1~2日ほど乾かします。中の紙を数時間おきに交換するとより早く乾きますが、そこまでしなくても十分です。
革・スエードパンプスのお手入れ
革やスエードは水に弱い素材なので、水洗いは避け、専用のクリーナーを使用するのが基本です。
準備するもの
- 素材に合わせた洗剤(本革用、スエード用など)
- バケツ
- スポンジ
- 歯ブラシ(毛先の柔らかいもの)
- 柔らかい布
- 新聞紙またはシューキーパー
- ぬるま湯(40度程度)
洗い方
- 柔らかい布で表面の油分を拭き取り、靴ブラシで汚れやほこりを払っておきます。
- お湯の入ったバケツに靴を入れ、全体を濡らします。
- スポンジを使ってよく泡立てた状態で洗います。汚れが気になる部分は、歯ブラシなどで洗います。
- スポンジを綺麗にした後、靴の洗剤分と汚れを拭き取ります。専用洗剤は拭き取るだけのタイプがほとんどなので、すすぎは不要です。
乾かし方
- 新聞紙を丸めて靴に入れるか、シューキーパーで靴の形を整えた後、風通しの良い日陰で乾かします。
- 皮がごわついている場合は乾燥後に保湿クリームを塗っておきます
- スエードの場合は、乾燥後に一方向にブラッシングすると、なめらかな状態になります。
エナメルのパンプスは水洗い厳禁
エナメルのパンプスは、独特の美しい光沢が魅力ですよね。そのツヤツヤとした見た目から、水を弾くように思われがちですが、実は水洗いは厳禁なのです。なぜ水洗いが良くないのでしょうか?
エナメルのパンプスは、革や布などの素材の表面に、エナメル樹脂でコーティングを施して作られています。つまり、表面のツヤツヤした部分はあくまでコーティングであり、その下にはベースとなる素材があるという二重構造になっているのです。
例えるなら、ケーキの上に塗られた艶やかなジャムのようなものです。ジャムとケーキの間に水分が入り込んでしまうと、拭き取るのが難しいですよね。エナメルのパンプスも同じで、水がコーティングとベース素材の間に入り込んでしまうと、完全に除去することが難しく、シミや劣化の原因となることがあるのです。
パンプスのお手入れ方法
ここでは、毎日の中で簡単にできるパンプスのお手入れ方法を3つのポイントに分けてご紹介します。
帰宅後のひと手間で清潔を保つ
まず大切なのは、帰宅後の習慣です。外出から帰ったら、すぐにパンプスを下駄箱にしまうのではなく、風通しの良い場所に置いて乾燥させることを心がけましょう。一日履いたパンプスは、汗や湿気を吸い込んでいます。そのまま下駄箱にしまうと、湿気がこもり、雑菌の繁殖や嫌な臭いの原因となってしまいます。例えば、玄関の風通しの良い場所に数時間置いておくだけでも、湿気を飛ばし、清潔な状態を保つことができます。特に梅雨時期や雨の日は、しっかりと乾燥させることを意識しましょう。
汚れの定着を防ぐブラッシング
次に、ブラッシングです。目に見える汚れがなくても、外を歩けばパンプスには埃やチリが付着しています。これらの汚れをそのままにしておくと、時間が経つにつれて繊維の奥に入り込み、落としにくくなってしまいます。帰宅後、靴ブラシで軽くブラッシングする習慣をつけることで、汚れが定着するのを防ぎ、パンプスを綺麗な状態に保つことができます。例えば、柔らかい馬毛のブラシで優しくブラッシングすることで、革の表面を傷つけることなく、埃やチリを効果的に落とすことができます。
雨の日のケアで臭い対策
最後に、雨などでパンプスが濡れてしまった場合のケアです。濡れたまま放置すると、カビや嫌な臭いの原因になります。濡れた場合は、できるだけ早く適切な方法で乾燥させることが大切です。例えば、新聞紙を丸めてパンプスの中に詰めると、新聞紙が湿気を吸い取ってくれるので、早く乾かすことができます。その後、風通しの良い日陰で陰干しするか、扇風機の風を当てて乾かすと効果的です。靴専用の乾燥機をお持ちの場合は、それを使用するのも良いでしょう。ただし、直射日光に当てて乾かすと、素材によっては変色やひび割れの原因になることがあるので、避けるようにしましょう。
これらの簡単な日頃のお手入れを習慣にすることで、大切なパンプスを長く綺麗に保ち、快適に履き続けることができます。
まとめ
お気に入りのパンプスと長く付き合うためには、日頃のちょっとしたお手入れと、靴を休ませるという習慣が大切です。
素材に合わせたお手入れ方法を覚え、ローテーションを意識することで、大切なパンプスをいつまでも綺麗な状態で履き続け、おしゃれやビジネスシーンをより一層楽しむことができるでしょう。
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